cronstedt’s blog

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シンデレラガールズ4年ぶりの新アイドル追加:コンテンツ史上最大の劇薬投入

 何かに導かれるようにして向かった6thライブ千秋楽のLV。そこで、Snow Wingsオリメン初披露、はにかみdays、ラブレター、流れ星キセキ等々を見て帰れたのだから色々と楽しいライブであった。本題とは逸れるが、村上巴役の花井美春さん、荒木比奈役の田辺留依さん、藤原肇役の鈴木みのりさんのパフォーマンスが素晴らしかった。「おんなの道は星の道」が歌われることは分かり切っていたので楽しみにしていたのだが、その期待を大きく上回るものだったことは非常に素晴らしかった。今後色々な楽曲を歌う事を期待したい。

 

 

 さて、私がLVに向かった目的の半分はライブ鑑賞であるが、もう半分は新情報の告知を見る為である。専ら告知を受けて皆と共に盛り上がりたい、自分自身の気持ちを高めたいが為であるが、正直失望したというのが本音である。

 5th千秋楽では、今回の2大ドームライブという非常に大きな告知があってとても盛り上がったものだが、今回はそれすら無く、シン劇の新シリーズ製作ぐらいというのは些か寂しい。来年1年の大きな指針が示される場であり続けただけに、夏前までには全て終わっているであろう情報しか告知されなかったのは誠に残念である。8年目に突入して全盛期とは言い難く、ミリマスやシャニマスも抱えている以上運営がイマイチ真剣に取り組めないのも仕方の無い事もしれないが、努力しているというフリぐらいは頑張って見せて欲しいものである。最近のコロムビアの諸々の努力に是非とも追随して頂きたい。

 

 そんな物淋しい告知の中で一際異彩を放つとある発表がなされた。それが題名にも記した通り、シンデレラガールズに4年ぶりに桐生つかさ以来の完全新規アイドルが、なんと7人も追加登場するのである。

 「驚愕」と「困惑」が見た瞬間の素直な感想だった。これまで、ボイス付与、総選挙によるボイス付与、ボイス総選挙、アニメ化、デレステの登場といった本コンテンツの歴史上大きな転換点となる出来事はいくつもあったが、私としては今回ほど「衝撃的」と評するべき発表はない。

 

 よもや、福井エリアより先に進む日が来るとは、個人的には全く思っていなかった。確かにシンデレラガールズというコンテンツは、サービス開始以来アイドルを続々と登場させ、その多様さを一因として拡大し続けてきた。これは紛れもない事実だ。サービス開始後に追加登場した、いわゆる「人気アイドル」も数多く存在している。しかし、アニメやデレステが始まった2015年以降その動きは止まっており、多くのPが183人という巨大な閉じた世界自体が変わることは無いと思っていた事だろう。

 

 

 なぜなら、多くのPがこれ以上人が増える事を望まなくなったからである。私もその一人である。そして、その理由は至極単純で明快だ。担当アイドルの出番がただただ足りなくなっているからだ。

 

 

 2014年頃までは、次第に露出する機会や媒体そのものが増加していた時期であり、楽曲という面で言えばボイスを持つ全員がおよそソロ曲+αで1、2曲程度でしかなかった。

 しかしアニメとデレステの盛り上がりが一段落した今となっては、まず声があるかないかで登場できる媒体が区別され、その中でも人気の有無によって更に区別がなされていく状況である。

 歌唱楽曲数は上位と下位では大きな差があり、未だにソロ曲がないアイドルが大渋滞を起こしている。ソロ曲を獲得できるかどうかも、ボイスが付いた順よりもアイドル自身の人気が優先されており、ボイスが有っても厳しい格差が見受けられるのだ。

 ボイスが付いていないアイドルを取り巻く環境は非常に厳しい。そもそもデレステに登場できる回数が数分の一まで削られており、SSRとなっての登場も減少傾向が顕著である。モバマスの月末新登場Rも4枠から3枠に減っており、強い逆風が吹いている。

 

 

 つまり、当時はまだ多くの人が夢を見れたから新しいアイドルが増えても許容できたものの、厳し過ぎる現実を3年以上に渡ってあの手この手で突き付けられ続けた結果として、素直に許容するだけの余裕を持ち合わせている者が激減したということである。新アイドルが7人増えるという事は、それだけ自分の担当アイドルの出番が削られる事も意味する。

 

 

 現段階では、3人がモバマスにて3カ月連続で登場する以外の新情報は無いため、これ以上の言及は避けるが、担当アイドルの有無に関わらず多くのPが懸念ないし否定的な意見を示すのも致し方無い。「声が付いた状態で登場したアイドル」はこれまでには誰一人いないが、その法則が打ち破られる可能性だってあるのだ。正直その場合が一番悲惨である。ただでさえ登場回数や期間そのもので揉めるというのに、楽曲やらデレステのイベントでの登場やらSSRやらで更に揉めることになってしまう。

 

 

 

 もっとも、全てが全て否定的な意味を有しているわけではない。閉塞感の打破とまだコンテンツは終わらない事の示唆という側面である。

 2015年以降の4年間でシンデレラガールズの世界は大きく広がっていたが、特にこの2年間でマンネリ化が進行し、停滞感や閉塞感が広がっている。コミカライズはみな人気だがジャンルの限定によって登場アイドルは絞られており、デレステでの登場機会や方法の偏向が明らかであり、シン劇とて最早新鮮感は無くなっている。それ以外にもいろいろ指摘できるが、最早キリがないし想像するだけで非常に気が滅入る。

 そんな中においては、ある意味での原点回帰たる新アイドルの追加はこれらに穴を穿つ可能性を秘めているといえるだろう。個人的には追加自体には懐疑的だが、同時にワクワクする気持ちも持っている。

 

 また、4年間一切追加してこなかったのに7人も追加する以上、運営とてこの7人を適当に扱ったままコンテンツを畳むつもりは流石にないであろう。ある程度のストーリー性を提供したい意図があってこその追加だとすれば、彼女たちを描いていく時間の分だけコンテンツは生き永らえる事だろう。彼女達は、当然これまでの183人のアイドル達の交流が描かれていくであろうし、それも評判次第で深堀りされる事となればそれだけコンテンツの寿命が伸びる可能性もある。

 

 

 そして、既に言及されているが、特にデレステ以降のPにとっては、最初の最初からアイドルを応援することが出来る大きな機会が提供される事となる。今までは、既に人気が固まっていた、ボイスが付いていた等々後追いしかできなかったPが数多く存在している事であろう。その事について悔しく思う人もいたことだろうし、途中からしか追えないがために担当を名乗れないと思ってきた人も恐らくいることだろう。そのようなPにとっては、新アイドル登場は胸躍る発表だった事だろう。アイドルに出合い、一歩ずつプロデュースしていくというこのコンテンツを根幹をなす経験・機会を得られるのだから。

 

 

 

 良薬は口に苦しという諺があるが、薬も過ぎれば毒となってしまう。今の運営が、適切に処方できるのかどうかは正直個人的には疑わしいのであるが、今は今後の動向を見守る他ない。これまでこのコンテンツを信じて付いてきた人々の思いを理解するだけの良心がまだ運営に残っていることだけを、ただただ願いたい。